「地盤と基礎」を学ぶ

「住宅性能」のこと
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日、東京家づくり工務店の会による設計勉強会を開催しました。所属スタッフが一堂に会し、学びを深める貴重な場となりました。今回の講師は、構造建築家として名高い山辺豊彦先生をお招きし、「地盤と基礎」についての講義をいただきました。

山辺先生は建築構造の第一人者であり、大手構造協会の役員も歴任された方です。私自身、先生とのお付き合いは20年以上に及びます。当時、鉄筋コンクリート構造に関する技術書は充実していましたが、木造建築の構造技術を解説した本は非常に少なく、木構造を読み解くことに苦労していた時代がありました。そんな中、ある建築雑誌で山辺先生の記事を目にし、「これなら技術を解読できるかもしれない」と思い、直接お会いするきっかけを得ました(企みましたが近い・・・笑)。それ以来、現在に至るまでお付き合いを続けています。

今回のテーマ「地盤と基礎」は、スタッフからの要望が多かったことに加え、地盤の読み解きが意外と難しいため、真の構造力学を理解されている先生に直接ご指導いただきたいという思いから計画されました。新築住宅を建てる際、地盤調査は必須です。地盤の強度を確認した上で設計・施工を進めますが、調査結果を正確に読み取り、適切な対応を判断するには高度な技術と知識が求められます。

地盤は地域や地層によって強度や沈下の特性が異なります。そのため、調査結果をもとに地盤改良の必要性や手法を判断することが重要です。今回の講習では、地盤調査結果の読み解き方、沈下や支持力の評価方法、適切な基礎形状の選定、さらに地盤改良の手法とその判断基準について深く学びました。

「建築士なら、こうしたことは当たり前に知っているのでは?」と思われるかもしれません。しかし実際には、住宅の設計は地盤の高さ、地層、水脈、立地条件など多くの要素を総合的に判断する必要があります。これは、医師が患者一人ひとりに適した診断や処方を行うのに似ています。建築士もまた、建物ごとに異なる条件の中で最適解を見出し、安全で安心な住まいを提供する責務を負っています。

今回の勉強会では、スタッフから「新しい発見があった」「これまでの知識の復習になった」といった感想が多く寄せられました。また、それぞれが新たな発想や設計のアプローチを得た様子でした。このような学びの場が、より良い住宅づくりに直結していくと確信しています。

さて、今回の会場となった水道橋の近くには、建築家・平田晃久氏が設計した「9アワーズ」があります。シティホテルとして注目される建築物で、設計チームと訪れることにしました。

ただし、ホテルの内部は見学できなかったため、1階に併設されている「REC COFFEE(レックコーヒー)」を訪問しました。このカフェは福岡を拠点とする店舗で、東京で初めて出店した場所がこの水道橋だそうです。

個性あふれる建築空間を味わい深いコーヒーは格別で、リラックスしたひとときを楽しみながら、建築についての話も弾みました。今回の訪問は、建築を学ぶとともに、チームとして新たな発見やアイデアを共有する貴重な場となりました。

 

隊長

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