IKEDA隊長コラムCOLUMN
2017年の記事(135件)
記事一覧へ北区で新築住宅はじまる/ちょうゆうの里
また一つ、北区で思い入れ一杯家族の家造りがはじまります。 「ちょうゆうの里」 この土地は、ご両親様が長きに渡り暮らしてきた場所、そう、お施主様のご実家にあたります。 別の地で家族4人で暮らしていましたが、様々な家造りの選定しの中で、ご実家に戻り家づくり を進めることとなりました。正しくふる里での家づくりなのです。 「ちょうゆうの里」のネーミングは 「ちょう」=「長」を意味していて 受け継いでゆく、ふる里の地で長きに渡り暮らしていくこと 当然長寿命な家=「認定長期優良住宅」として建設されます。 それから、特集な建物工法「木造耐火建築物」(敷地が防火地域と準防火地域にまたがる) 木造なのに耐火建築物!と、下町の防火の規制が厳しい立地の中で コンクリートや鉄骨造のような耐火性の高い建物で火に対しても 通常以上に長い時間耐えられる建物です。この「木造耐火」についてはいずれコラムで! それからそれから、お名前の中に「長」と言う文字もありまさしく「ちょう」 という名に縁があるのです。 では「ゆう」とは? 「ゆう」は「U」を意味しているのですが、 簡潔に言うと、敷地が奥まった行き止まり的な位置にあるのですが、かたや旗竿の敷地でも ある。いわゆるダブル旗竿のような敷地。ですからUの字の様に道から道へと通りゆくこと ができる敷地なのですね。この独特な敷地条件「U」の字動線のある敷地をひらがなで読み 「ゆう」と意味しています。敷地のもつポテンシャル、そして、ふる里でこれから、長き に渡り楽しく暮らしていく家族をイメージして名付けたネーミングが「ちゅゆうの里」 といいます。 特殊な立地条件故、3Dなども持ち入りながら、立体的確認、窓の位置関係とも設計時に検討 してきました。そしていよいよ、本物の木の家が建築される時がきたのです! 2週間程まえになりますが、地鎮祭が執り行われました。 ご両親、そしてふる里にもどり家づくりを始めるご家族皆様が参列です。 家族が見渡せ、密集した敷地条件の中からも光や風、ルーフテラスからも空を見上げ 星や月、様々な思い出をつくる沢山の居場所が存在します。 今から春頃の完成がとても楽しみです。 「ちょうゆうの里」のお施主様誠におめでとうございました!! 隊長
2017.10.09(月)
空家のことを知る①/空家施策等
昨日は全国の工務店3000社の団体「JBN」(業界団体)の政策調査部会が開催されました。現在、同団体の役も努めておりますが、併せてこの政策調査部会の部会長を努めておりまして、工務店を代表して施策の情報や意見交換などを行い、全国の工務店に情報を伝える役割をを担っております。とても微力ですが・・・汗(写真:全国各地選抜された委員が集います) そして、今回のテーマは「空家」です! という事で、空家施策を含め、現在各省庁から概算要求たる、30年度に向けた施策実現のために予算が要求されている時期でもあります。工務店に直結するところとしては主として国土交通省が管轄になることから、今回は予算のことや、主テーマにおいている空家関連施策について、国土交通省の担当官やシンクタンクの方にお越しいだきご説明、並びに質疑などを行いました。 この住宅施策、私達の家づくりだけでなく住生活を営む消費者様にも直結することが多いので少しでもアンテナ張っておくと今後の家造りにも役立つかもですね。 【30年度 概算要求から国土交通省の施策】 ①既存住宅の質の向上と流通促進による住宅市場の活性化②少子高齢化・人口減少に対応した住まい・まちづくり③災害等に強い安全な暮らしの実現④良質な住宅・建築物の整備等 が重点施策となっています。言葉だけ見ていても分かりにくいですが、簡潔にいうと、①の場合これから空家などの、余っている住宅の利活用が重要で、既存住宅の性能を向上して住みこなしたり、安心して売却できる社会形成をと言うことですね。 ④はその上で今後新築されていく住宅は、当然ながら良質な住宅(長期優良住宅等)を基本とし将来も安心して住みこなし、場合によっては付加価値を付けて売却できる社会にと、今後様々な施策が予算に含まれている模様です。 このように描くと、①〜④ってなんとなく繋がりがありつつ、今後の社会問題を解決していく必要のある内容ということがわかりますね。 【本題の空家について・・・】 これを機に今後少しづつ、空家の現状や問題、これからについて触れていくと共に、岡庭建設でもあらたな取組や活動をはじめつつありますので、途中経過などもお伝えしておきますね。 その上で現在の空家の数って?・・・ 現在、日本国内にある住宅の数が6000万戸! そのうち空家の数が820万戸(2013年調査時)現在は900万戸近いものと思われます。 割合で言うと13.5%が空家ということなんですね。 で、この空家の割合が2030年には、30%に到達するということなんです。 ですから、今の倍以上に増えるということになります。 1/3が空家ですから、私達の住む家の周りも平均的に1/3は空家になっていると言うことですね。そうでなければ、他のエリアでは周りの大半が空家となる地域も出てくるわけです。そうなると、治安の問題もでてきて、地域の価値が落ちる・・・何ていうことも考えられます。 ですから、今後はこの空家について、地域では避けては通れない社会問題となってきますし、地域レベルで解決していかなければなりません。 という事で、空家の話は非常に奥が深いので今後も引き続きコラムとして書いて参りますね。 なんと空家の50%以上が・・・・・・。 次回をお楽しみ *地域の空家問題を解決する取組?はじまる。「西東京空家会議」 隊長
2017.10.07(土)
いま求められる 「レジリエンス住宅」とは/OZONE
新宿リビングデザインセンター「OZONE」にていま求められる 「レジリエンス住宅」とはについてお話させて頂きました。*セミナー風景は撮り忘れたので、お知らせ看板で・・・笑【自然災害の多い日本】 2000年以降、日本では東日本大震災や熊本地震など、北海道から九州まで各地で大きな震災に見舞われています。また、地球規模の気候変動による大型台風や大洪水、強風や豪雨雪の被害は山間部や海岸だけでなく、都市部でも数多く報告されるようになりました。生活者の暮らしを守る住まいやライフラインにも現実味を帯びてリスクが高まり、住まいの安全・安心に対する意識は大きく変わりつつあります。【今後求められる住いのあり方】 今回のセミナーでは、地域工務店としての先導的な取り組み始めた岡庭建設の取組として、いま求めれられる「レジリエンス住宅」について多角的にお話させていただきました。 【改めてレジリエンス住宅とは?】→レジリエンス住宅「R-ECO HOUSE」 レジリエンス(resilience)とは、外部からの影響に立ち向かう強靭さや回復力を意味する言葉で、「防災力」と同義に使われることもあります。長期優良住宅やZEH+αの住宅に共通する概念で、平時に楽しく暮らし、有事の際に活躍できる家づくりにつながる考え方です。また、もしもの事態が発生した場合、その後の暮らしの復興を進めるためには、住宅だけでなく、地域との連携も欠かせません。しなやかな対応力を備えた住宅設計と地域に寄り添う仕組みづくりをさまざまな事例を通してお話させていただきました。 【レジリエンス住宅は難しくない】 レジリエンス住宅にするには、高度な設計技術や高価な設備などを用いなければ出来ないわけではありません。基本となる、耐震性は重要ですが、それぞれの考え方次第ではローテクでも可能であると思います。 今回私共も、このレジリエンス住宅を建築する上で大事にしたのは ◯地域工務店らしいレジリエンス住宅であること◯平時に楽しく豊かに暮らせる家にする◯有事に活躍できる家◯誰にでも「実現」できる住宅であること◯災害に役立つアイディアと工夫を活かす とシンプルです。 雨水タンクをつけたり、家庭用蓄電池を導入したり、階段下を備蓄倉庫にしたりと、普及品を取り付けたりするだけでも有事に活躍できるという事と、今住んでいる家でも始められる・・・何かそのような発信元となり地域住宅で取り組み始めることができれば、それが、正しく平時に楽しい街であり、有事に活躍できる街にツナガルのだと思います。岡庭建設も地域工務店として建築的な工夫を含め、現在地域住民と取組んでいる「ツナガルプロジェクト」。ハードだけでなくソフトも強靭化しより地域防災にツナガル取組になれば嬉しいです。 ということで、このようなお話を新宿OZONEで講演してまいりましたー夜の都庁は綺麗ですねー。10月24日はこの都庁でお話させていただきます。 →東京都住生活月間2017 以上隊長講演記でしたー。
2017.10.04(水)
家づくり学校1時間目10月/2017
家づくり学校1時間目2017/10月が開催されました。 お陰様で常に満席状態が続いておりますが、9月に引き続き10月もキャンセル待ち状態での開催でしたー・・m(_ _)m。参加できなくご迷惑をおかけしておりますが、次回12月開催をお早めに申込みくださいませー。家づくり学校1時間目→12月開催へさて、今回も参加された皆様からの感想等を一部記載しておきましょう! ◯すでに固定的な考えを初めていたため、家造りで大事な点をもつという点にハットした・・。◯右も左もわからなかったが、一歩前進できた。◯分譲、建売等も考えていたが、「こだわり」があって住む楽しさや必要性が再確認できた。◯シンプルで分かりやすいお話でした。◯更に具体的な、自分たちの条件に当てはめていくことで少し前に進むイメージが出来そうです。◯改めて家づくりで大切なことを確認できました。 等々 今回も、家造りの進め方、そして、家造りは何を大事にしなければならないのかを皆さん知ることが出来たようですね。 お子様達も、ビデオ見たり玩具で遊んだり、お絵描きしたりとセミナー中を楽しんでいるようですね。みんな絵を書いて記念においていかれる人たちも・・・笑。これも家づくりを始める際の良い思い出ですねー。 次回、10月29日に2時間目「しっかりつくる家」が開催されますが、こちらも残席2組という事で、2時間目をご希望の方は、お早めにか、12月開催へのお申込みをお願いいたします。m(_ _)m また、10月15日の4時間目「家づくりとおかねの話し」も間もなく満席となりそうです。お早めにお申し込みくださいね。→イベントサイトはこちら 隊長
2017.10.01(日)
BELS/省エネ性能表示
26日に行われた、建築や不動産、メーカーの方々で今後の住宅建築の研究を進める団体様にゲストと招かれ自社の取組他をお話させていただきました。 ずばり「BELSでこれからの家造りはどうなるのか」?タイトルの意味が分からない(BELS?)・・・・・そりゃそうです。まだ始まって1年程度の国の制度なので、まだまだ、プロも、それから一般の方は特に浸透していない制度なのです。でも、国の法律の中に定められた、住宅の省エネ度を示す表示制度のため、今度、幅広く普及していく可能性は高いと思われます。という事で、この省エネ表示制度「BELS」について3回に分けられ勉強研究会が行われてきました。毎回ゲスト講師みたいな人が呼ばれたそうですが、 第一回:日経BP社 省エネNEXT 小原編集長 (設計系向け)第二回:リクルート スーモ 池本編集長 (不動産向け)第三回:岡庭建設 池田 (工務店・設計向け) で、それぞれのゲストコメンテータとパネラーでこの省エネの性能表示について講演と議論をし、今後の住宅社会に向けて語り合います。隊長からは、なぜ「BELS」という省エネ性能表示制度ができたのか・・・・世界合意のパリ協定(地球温暖化)〜エネルギー枯渇等を前提に、長期優良住宅に認定低炭素住宅、建築物の省エネの法律の制定など急務に進む省エネ施策を含めた流や位置づけを整理しながらお話させていただきました。 また、岡庭建設で取組む省エネ住宅にも、省エネ性能表示制度にも取組初めているところで、実例なども含めお話させていただきました。 ↓ こちらが事例で発表した省エネ性能表示制度「BELS」の評価です。見てもなんだか・・・と思われるかもしれませんが、数字よりも一般的に右中央にあるBELS☆☆☆☆☆マークで見える化、表示していくもので、☆5つが最高ランクに位置づけられます。 この住宅レベルは、岡庭建設でZEH(ゼロ・エネルギー)住宅相当にする際の性能。現在の省エネ基準から比べると50%も消費エネルギーを減らせるレベルという結果となりました。 この結果は、住宅の断熱や、設備の効率などを含め計算して割出していくことで求められます。当然、各仕様や特に窓の大きさや数などによっても差がでてきますので各物件ごとに星の数は変わらなくとも削減率は異なります。 まだまだ、始まった制度故、認知はされていませんが、自らの住宅の省エネ性能を数値化して残しておく、そしてその将来付加価値として資産として評価される可能性もあるかもしれません。先ずはこの様な制度が始まったーということを家づくりされる方は知っておくとよいでしょう。 以上、講演から皆様の家づくりの省エネ性能評価方法のレクチャーでした。m(_ _)m 隊長
2017.09.29(金)
住宅性能を学ぶ/家づくり学校2時間目9月
家づくり学校2時間目「しっかりつくる家とは」が本日開催されました。 今回も満席の中での開催。 2時間目は「しっかりつくる家」と題して、住宅性能をメインにレクチャーさせて頂いてます。【構造計算て?許容応力度計算】 特に今回は、「構造計算」について多く触れてみました。昨今自然災害も増えていますからね・・・。 そこでまず知るべきことは、木造2階建てというものは「構造計算」が建築基準で定められた方法 で計算することが義務付けられていなく、家造りに携わる設計者にその確認が委ねられているんですね。 (木造の3階建て以上(鉄骨、鉄筋)からは義務付けられています。)知っておきましょう!。 木造住宅は鉄骨や、鉄筋コンクリートの建物比べて比較的軽い建物であることや、筋交い を建物に取り付けるなどで、地震や台風等で倒壊しない様に基準が定められていて、この 計算手法を「壁量計算」という基準といいます。筋交いが10箇所?15箇所と取り付け箇所 やその仕様や強さなどで判定していきます。「構造計算」ではありませんが、この計算方法が 一般的に利用されていて、まずはこの計算方法が2つあることを知っておきましょう。 その上で、「構造計算」(許容応力度計算法)とは?ということですが、 簡単に説明すると、その家ごとの形や重さを設定し、求める耐震や耐風の性能を割出します。 ですから厳密な結果が得られる計算方法なのですね。細かくは基礎の形態や中身なども計算 により設計計画をすることができます。ですが、この計算方法も古くからあるわけでなく、 法改正がされ木造3階建てが建築される様になるころから、このような計算方法が基準を含め 普及してきています。ただ、あくまでも木造3階建てからと言う以上からの義務付けです。 ですが、昨今大きな地震災害と言えば、記憶に浮かぶ阪神淡路大震災や新潟中越地震、記憶に 新しい東日本大震災に熊本地震などがあげられます。 そう、ここ数十年で大地震が複数回発生していて、今後も更に自然災害に見舞われる可能性 があります。過去の教訓を活かし、住宅の性能も日々進化していくことが求められます。 ですから、木造2階でも厳密化した計算方法が必要では・・・と言うことで、 岡庭建設では今後の住宅の多様化と含め、約10年ほど前からこの構造計算(許容応力度計算法) を採用し全棟計算をして建築しております。 この話を始めると長くなるので、近日、「構造計算」について少し中身を分けながら書いていきますね。 話戻りますが、今回参加された方の感想コメントの一部です。 ◯性能の考えかたについて分かりやすく説明頂き大変ためになりました。 ◯構造の事など全く無知でとても勉強になりました。非常に分かりやすいお話でした。また現場の方が丁寧に大切に作業してくださることも分かりました。ありがとうございました。 ◯見えない部分こそ重要だと再認識しました。 などなど、参加された皆様の今後の家造りに役立てば幸いです。 ご参加された皆様お疲れ様でした!!!。 隊長
2017.09.24(日)
中古住宅関連で講演/大阪
一歩進んだ中古住宅売買に向けた取組をしているということで、大阪で開催されている「第一回関西住宅都市イノベーション総合展【住宅】」にて岡庭建設で取組、中古住宅の売買にまつわる取組をお話させていただきました。 最近は、省エネ住宅関連だけでなく、10月も「東京都で講演」いたしますが、中古住宅など既存の住宅の良質化や安心、安全な売買についての依頼を多く頂いてます。会場はインテックス大阪といって、大阪港に近い場所にあるのですが、これが意外と新大阪から遠いんですよねー・・笑。東京で言うとビックサイトの様な施設と場所のようです。でも、大阪だけでなく近隣県からも訪れるほど、多くの人達で賑わっておりました。講演風景の撮影はNGなので、開始頃の写真までですが、会場はこのような雰囲気。主にお話したのは、◯岡庭建設・岡庭不動産・おかにわリフォーム工房の「ワンストップサービス」物件探しから、住宅の検査や、費用の見立ての他、一元化で中古住宅売買への支援◯新築住宅から中古住宅になるうえでの心構え(家造りを進める方)。「メンテナンス」◯「改正宅建業法」について の他、既存住宅の幅広い技術や知識が必要故、持ち得る知識を限られた時間でお話させていただきました。 会場は、まー広い展示スペースを5会場も利用しているので一日かけてでも見終える事ができるか・・でもこれだけの人が来るとなると確かに納得です。テレビ局の撮影も行われていまいた。 以前ブログでも書きましたが、この夏に、諸事情で、OB宅の売却を依頼されました。築7年です。でもほぼ当時の土地+建物の価格で売却することができたのです。それがワンストップで取り組んでいるから故の答えかもしれませんね。 「岡庭の家は高く売れる?へ」 中古住宅の売買は社会ニーズも含め増えつつあります。でも、落とし穴もありますから、私共の様にコンサルティングしながら物件探しをしていくことが今後とても重要です。気兼ねなく「相談箱」からお問い合わせくださいね。! 隊長
2017.09.21(木)
家造りで考えたこと3/行灯の家
【家造りで考えたこと−3「行灯の家」】 2012年に竣工した「行灯の家」。東京の狛江市においては比較的大きな敷地の中での家づくりでした。 敷地の中には、桜の木の他、この地の歴史を刻み込むような木々が立ち並んでいます。代々のお庭を大事にしてきた経緯もあり、「行灯の家」は木々を残しながら、その景色を暮らしに取り込む事を大事に計画していきました。 また、太陽の恩恵も最大限受けられる立地ともあり、屋根面を大きく構え、太陽熱利用も取り入れたお住いです。 【太陽熱をふんだんに得る「片勾配屋根」に〜立地をいかす〜】 上の写真は東側からの外観になりますが、いわゆる「片勾配屋根」といって、南側から北側まで、屋根が一方方向に登っていく屋根形状に。 これは、太陽熱をふんだんに利用できる立地ゆえの計画。空気集熱式ソーラーを採用し、片勾配にすることで南側の熱や光の恩恵を受けるスペースを最大限広げられることができます。 でも、この形状はどこでも出来るわけでもなく、東京では特に北側敷地への日照確保のために高度斜線たる独自の厳しい日照権が設定されていて、中々このような屋根形状にすることは難しいんですね。「行灯の家」は敷地にゆとりがあることも、片勾配屋根を実現した要素の一つにもなるのですが、幸いにも北側にも道路があることで、法律の元、その幅員部分を利用しながら隣接地への日照確保を考慮し敷地内での建物配置とあわせ実現することができています。 ですから、このような外観スタイルは正しく立地の条件の賜物かもしれませんね。【歴史を刻む木々を残しながらの配置】 上の写真からも分かるように、建物の周り、敷地内には桜、梅、紅葉、ツツジの他沢山の木々が残っています。特に左側に大きく伸びる木が「桜」なんですね。 この歴史ある桜の木を切ってしまってはもったいないと、桜の木を交わしながら、建物が配置され、かつ、その景色をどの様に暮らしに織り込むかを大事に考えました。 【木々の位置を測る、把握する】 設計をすすめる上で大事なのが、木々の位置なんですね。ですから、「行灯の家」を計画する前には、木々それぞれの位置を測り、事前に把握した覚えが今でも記憶に新しいです。本数が多かったので大変でしたが・・・・・・笑 ですが、その位置を知ることで、豊かな暮らしに向けての最大の恩恵につながるのです。【木々やお庭と一体になる暮らし】 上の写真は室内から見た景色。キッチンや、リビングダイニングの他、至る所から先代から受け継ぎ、歴史を刻んできたお庭が目に入ります。中央の窓からはツツジやサツキが目に入り、右側の窓には、この地で高く伸びている「桜」の木が目に写ります。この時期は、葉や花がついていない時期の写真故、少しその恩恵が写しだせていませんが、意味合いはよく分かって頂けるかもしれませんね。【四季を楽しめる暮らし】 角度を変えてみると・・・どうでしょう、また違った形で景色を眺める事ができます。春には梅の木や桜に花が咲き、葉をつけ冬前には落葉します。紅葉は、秋には紅葉するなど、「こまえの家」のお庭をパノラマに取り込み、四季を感じより楽しく豊かな暮らしを送ることができるのです。 「行灯の家」はこのように、代々受け継いできたお庭、エコを大事にするお施主様のお考えも含めこのような暮らしある家になりました。 うちにはお庭がないし・・・と思われる方もいるかと思いますが、この考え方はお庭の大きい小さいだけでなく、自らがお庭とのあり方(スペース)を考える事で少しでも豊かなくらしに繋がるものです。ちょっとした考え方で暮らしの豊かさは微妙に変わるもの考えかただけは知っておきましょうね。! 家づくり学校1時間目では違った視点でもお話しています。→「家づくり学校他イベントページはこちら」 【最後に行灯の家とは?】 大半の窓袖には『障子』が引き込まれています。夜になると、カーテンではなく障子で締め切ります。岡庭の家は、自然素材が多く、カーテンよりも木と紙でできたた建具、『障子』の方がお似合いです。「行灯の家」の障子を締め切ると、また違った空間となり、夜になると、温かみのある明かりの色が障子を通し、まるで「行灯」のようにも見える。そのような意味合いから付けられたハウスネーミングです。 長年、一緒に暮らしているワンちゃんも昼はお庭で日向ぼっこ夜は、行灯の明かりをの中で心地よい暮らしをしています。思い出深い一枚の写真です。 「行灯の家」東京都狛江市→行灯の家の施工例に戻る ◯長期優良住宅認定◯構造材国産材利用◯設計・施工:岡庭建設 隊長
2017.09.18(月)
岐阜県立森林アカデミー/うだつのまち
概ね年1度程なのですが、森と木に関わるスペシャリストを育成する専門学校「岐阜県立森林アカデミー」の非常勤講師を勤めております。 学校のビジョンが明確なだけあり、毎年意識力、レベルの高い生徒様が集まっています。また、林産地ということもありますが、県立と言うのがまた素晴らしい取組ですね。校舎も木造(大型木造)で建築されていて、羨ましい環境下で建築他を学ぶことが出来ます。隊長の授業はといいますと、これからの住宅のあり方、行政的にいうと「住宅施策」などを含め、今後住宅社会がどの様な方向性に向かうのか他、施策の紹介と実際に岡庭建設で手掛けている事例なども含めお話させていただいております。 ◯住宅の長寿命化に向けて→長期優良住宅法◯住宅の省エネ化に向けて→低炭素建築物◯エネルギーを自給自足する次代に向けて→ゼロ・エネルギー住宅◯良質な既存住宅(中古住宅)の流通に向けて→ワンストップサービス などなど、今後少子高齢化やエネルギー問題などから、これからの住宅や住生活のあり方を政策的に打ち出されていきます。これは、政治的に行われるものもありますが、今後の日本社会における、社会問題や新たな未来や経済発展に向けて打ち出されるものが多くあります。 岡庭建設でも長期優良住宅の認定や、低炭素建築物、性能表示を受ける住宅が大半です。これは、性能を明確に理解してい建築することの大切さだけでなく、将来、万が一次なる住み手に受け継いでもらう際にも重要な内容、要素になるからなのです。 と言う事で、お話の中で岡庭建設で取組んでいることの他、過去の事例や今後訪れるであろう社会の姿に向けた考えなどを含めレクチャーさせていただきました。 【近くに「うだつの街」が・・・・】 ちょいと近くにある美濃市の「うだつの街並み」にも脚を運んでみました。 この古くからある街並みはとてもいいですね。「うだつの街」とは、昔の家は、隣の家と連なる長屋的な家が多く存在しました。その住戸の間となる屋根の上に「うだつ」と呼ばれる屋根の見切り材の様なものがあります。この街では、「うだつ」の高さが高いほど地位が高いと言われていることで有名なんです。 「うだつが」あがらない・・・・とよく聞きますが、その語源は・・ 「成果がでない」とか、「地位が上がらない」ことを意味する。 隊長も「うだつ」あがんねーなー・・・と言われぬよう日々家づくり、家守りに精進して参りますー・・・・・・・笑 隊長 【登壇のお知らせ】 10月24日東京都主催、東京都庁にて講演します「東京都住生活月間セミナー2017」(パネラーも) テーマ「豊かな住生活の実現に向けて 選んで育む既存住宅」当日は国土交通省から、新たな住宅施策も公開される模様です。「お申込みはこちらから」→東京都都市整備局
2017.09.16(土)
国分寺/「いわいみちの家」完成
9月の9〜10日の土日に開催された、「いわいみちの家 完成見学会」 家づくり学校に参加された方、これから家造りを始める方から家づくり中の方々まで大変多くの皆様にご来場頂くことが出来ました。 「いわいみちの家」は土地探しから始まった家づくり。長きに渡り住む場所探し、思い描く楽しく暮らす家のありかた、双方が実現できることを思い描きながら、最適な地に出会うことが出来ました。 そして「いわいみちの家」には思い描く暮らしのテイストに拘り実現しています。【独創性高きキッチン!】 キッチンは、大手のシステムキッチンでも、おかにわのオリジナルキッチンでもない、ちょっと、こだわったキッチンを制作している会社の物を取り入れています。 土地探し、家づくりする前から、キッチン、そして家族の食卓周りを奥様が思い描かれていたようです。木のキッチンで天板も木で造られているとても独創性高いモノです。 水栓のマットな黒もいいですねー。 【家づくりを始める前からイメージ】 と、今回はキッチンをメインにお伝えいたしましたが、何が大事かというと、家づくりを始めてから、全てを考えはじめる。 ではなく、家づくりをする際には、どの様な暮らし方、「いわいみちの家」さんの様に食卓周りのイメージをもっておくと言うことも、家づくりだけでなく、土地探しにも役立つ場合があります。 昨今、キッチンは対面キッチンがいいと言う考え方もありますが、このような食卓をイメージしていることで、計画の最初から対面という考え方なしにプランニングしこの地を選ぶことができています。 ちょっとこのような考えかたも覚えておくと良いですね。 「いわいみちの家」は建物の角方向が、いわゆる真南になります。コーナーの場所に大きな窓。そして引き込むことのできる窓を採用しながら、お庭との繋がり、緑の見えかた採光性や通風性を確保し、より豊かな空間と暮らしを実現しています。 また、竣工写真が届き次第、「家づくり考えたこと」などでコラムを通してお伝えしてまいりますね。 隊長
2017.09.13(水)