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総務・金融(413件)
記事一覧へ遺言書って? その5
三種類の遺言書の残りの二つです。 ・公正証書遺言 証人2名の立会の元、公証人が作成し、その原本は公証人役場に保管されます。公証人手数料がかかってしまいますが、紛失の恐れがなく、偽造の恐れもないので、最も安全です。 ・秘密証書遺言 遺言者が、作成した書面(自筆でなくても可)に署名捺印して封印し、公証人と証人2名にその封書が自分の遺言書である旨を申述する必要があります。 前回の自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所において検認の手続きが必要になります。 検認とは、遺言書を家庭裁判所において、相続人の立会の元、遺言を開封し、内容を確認する手続きです。遺言書の存在を明確にすることによって、偽造を防止します。公正証書遺言は、公証人が作成していますので、検認の必要はありません。 遺言書の説明でした。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.10.09(金)
遺言書って? その4
さて、一言に遺言書と言っても実は色々あります。前提として、亡くなる前に、親族等に言い残しておきたいことは「遺言」。その「遺言」を書面にしたものを「遺言書」ということにしますね。 「遺言」も故人の遺志や希望ですが、やはり書面にしておかないと、言った言わないや、意思が変わった時など証明することがむずかしいです。また、書面にしてあったとしても、それが故人の自筆であるか、故人の意思が正しく反映されているものかがはっきりしていないと、効力がなくなってしまう場合があります。ですから、効力がある「遺言書」を残す必要があります。それには、次の3種類があげられます。 ①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言 まず、自筆証書遺言ですが、遺言者が、全文、日付及び氏名を自書し押印をしたものです。 ただし、財産目録はPCなどで作成することが出来るようになりました。(一枚一枚に自筆の署名捺印は必要です) また、今までは自分で遺言書を管理することが多く、紛失や本人しか場所を知らなくて見つけられない事が多かったのですが、7月から法務局で保管できるようになりました。 自筆ですので、形式や内容に不備があっても気が付かずに無効になってしまうことがありましたが、法務局に預ける場合は、形式のチェックを受けられるので安心です。 残りの二つはまた次回です。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.10.02(金)
遺言書って? その3
前回まで、遺言書には財産について記載すると書きました。でも、実は遺言書には財産以外にも書くべきものがいくつかあります。 ・認知 ありていに言えば「隠し子」ですね。 認知には、父が子を認知する「任意認知」と子が父に認知させる「強制認知」があり、「任意認知」には生前に戸籍の届け出をするか、遺言により認知する方法があります。 ・廃除・廃除の取り消し 相続人が相続権をはく奪されるものに「欠格」と「廃除」というものがあります。 「欠格」は、被相続人を殺したり(未遂も含む)、遺言書の内容を自分の都合が良いように書換ようとした場合に、強制的に相続権をはく奪されることを言います。 「廃除」は、被相続人を虐待したりして、被相続人の意思で相続権をはく奪することを言います。「廃除の取り消し」は相続権の回復です。 廃除・廃除の取り消しは、生前に被相続人本人が、又は遺言により遺言執行が、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。 ・祭祀財産の承継者の指定 仏壇や墓を引き継ぐものの指定ですね。 ・相続分の指定 民法において相続分は定められています。例えば配偶者1/2、子1/2(子供が二人だったら 1/2×1/2=1/4づつ)とかです。 でもこれを、遺言により指定することもできます。例えば 配偶者1/3、子2/3とか。 自分の面倒を見てくれたとか、家業を継いでくれたものに多くあげたいという場合ですね。 ・遺贈 遺言により××に○○を譲ると書けば、すべて遺贈ですが、相続人以外のものに財産を渡したい場合もこの「遺贈」になります。 ・遺言執行者の指定 遺言書の内容の実行を委託するものを、定めておいた方が良いかもしれません。何事もまとめるものがいた方が、スムーズに進みますから。 さらに次回へ続きます。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.09.25(金)
遺言書って? その2
遺言書の続きです。遺言書には色々財産を書いていくわけですが、書き漏れが出てくることが多いです。また、こんなもので?という事で揉めることもあります。 例えば、宝飾品、時計などの貴金属、着物、ゴルフ会員権、ゴルフクラブ、車などなど。 でも、これらを一つ一つ書いていくのも大変です。 そんな時は、前述したもの以外の財産については××に譲るとしておけばいいです。 忘れていけないのは負の財産です。つまり、借金や未払金、葬儀費用です。 住宅ローンは団体信用生命保険(団信)に入っていれば、弁済されるので問題ないのですが、車のローンや期限が未到来の固定資産税、亡くなる時に入っていた病院の入院費などもだれが負担するか書いておいた方が良いです。葬儀費用もだれが負担するか書いておいた方が良いでしょう。 預金を相続する人が、これらの負の財産を相続するのが、後々揉めないと思います。 それから、相続人を代表してこの遺言を執行する人も指定しておいた方が、後々スムーズです。 「この遺言の執行者として××を指名し、この遺言執行のために必要な行為のすべての権限を与えるものとする」 こんな感じです。 長くなったので次回も遺言書について書きます。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.09.18(金)
遺言書って? その1
前回まで、民法改正に伴う相続についての変更点を書いてきました。 今回からは、あんまり意識していない方も多いかもしれないけど、準備しておいた方が良い「遺言書」についてです。 自分には財産がないから遺言書なんていらないと考えてる人も多いと思います。また、自分の家族は相続で揉めるはずがないと思っている方も多いかもしれません。でも、いざ揉めてしまうと禍根を残すことになりかねませんので、備えておくことに越したことはありません。 そもそも遺言書とは何でしょう? 遺言書とは、自分が死んだ後に自分の財産をどのように分けるかを示したものです。これがない場合は、財産を相続人が相談して決めることになります。 一番簡単な書き方は「財産の一切を ××に譲る」ですかね。 でもこれだと以前に書いたことがある遺留分を侵害してしまう場合がありますので、おすすめできません。 なので、出来れば細かく書いた方がよいです。 例えば、自宅の土地 ××市××町×-×の土地 ××㎡を ○○に 自宅の建物 ××市××町×-×の建物 1棟を ○○に ××銀行××支店 定期預金を ▼▼に みたいな感じで書いていきます。 長くなるので、以下次回に続きます。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.09.11(金)
相続と民法改正 その16(遺産の処分)
今回は遺産の処分についてです。 生前の処分ではなく、亡くなった後の処分についてになるのですが、亡くなった人の財産は、相続人等の協議により分割します。 その際に遺産分割協議書等を作成するのですが、そこに記載される財産は、分割協議がされたときに存在するものになります。 という事は、亡くなった後と分割協議の間に遺産が処分されてしまったらどうなるでしょうか? 普通に考えれば、処分しようがしまいが、亡くなった時点の遺産を分割するのが筋なのですが(相続税の計算は亡くなった時点の財産を基に計算です)、前述したように遺産分割協議は、その協議の時に存在するものが対象になるので、分割協議前に処分した遺産については、明文化されていませんでした。 そのため、処分した人がより多くの利益を得てしまうことがありました。 今回の改正で、分割協議前に処分した遺産も、分割協議時に存在するものとして計算することが可能となりました。 これにより不公平が是正されることになりそうです。 ちなみに、生前に財産を合意なく処分したら、使い込みになりますので、下手すれば訴訟になります。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.09.04(金)
相続と民法改正 その15(亡くなった方の預貯金)
今回は、もう既に始まっている改正です。 亡くなった方の預貯金というのは相続財産です。これは当然です。 例えば、家族の中で唯一働いていた方が亡くなりました。生活費は給料が入金される口座から引き出してまたは引き落としていました。という場合。当然残された家族は、その口座のお金を使いたいですよね。 でも、この口座、持ち主が亡くなると凍結されて一切使えなくなります。なぜなら、先に書いたように相続財産ですから、相続が確定したときにその口座を相続した人が見たら、一銭もなかったという事もあり得るからです。相続が確定し、名義を変更出来るようになってから使えるようになります。 でも、入院費や葬式費用、生活費はどうすれば?引き落としできなくなったカードや家賃の支払いは? 以前は、「口座が凍結される前に葬式費用と生活費はおろしておいた方がよい」なんてことが言われていました。実際、亡くなった瞬間に口座が凍結されるわけではなく、遺族が金融機関に亡くなったことを連絡したら凍結されるので、そういうこともできました。ただ、必要以上におろしていたら、後々相続人間でトラブルになりそうですね。これが2019年7月から、一金融機関当たり150万円まで手続きにより引き出すことが可能になりました。 これで、口座が凍結されても安心ですが、やはりおろしすぎはトラブルになりかねませんので、注意が必要です。 豊村岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.08.29(土)
相続と民法改正 その14(特別寄与料)
特別寄与料の注意点です。 まず第一に、特別寄与料の算定が難しいという事です。 一口に介護と言っても、寝たきりの人と、ある程度自力で生活できる人とでは、その介護の負担が全然違います。はじまったばかりの制度で、まだ具体的なものはないのですが、自力で立ち上がったり歩行したりが難しい、要介護度2以上の場合請求できることになりそうです。またその金額は、最大でも1日8,000円程度とみられています。それから特別寄与料の請求期限は、相続から6か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。もう一つ、妻は相続人ではないので、相続税が2割加算されることになります。ですから、生前に介護のお礼として贈与してもらったり、夫の相続分に介護分を上乗せしてもった方が良い場合もあります。 この辺は、それぞれの家族の事情によりますので、はっきりとしたことは言えませんが、介護記録だけは確実に付けるべきですね。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.08.21(金)
相続と民法改正 その13(特別寄与料)
特別寄与者の要件の続きです。要件の②についてですが、介護は無償で行う事が必要です。謝礼をもらったり、給与をもらってはダメってことですね。 また、介護を行っていたことの証明必要ですが、具体的には、介護日誌や介護に要した費用の領収証がそれにあたります。 また、いくらぐらい請求できるのかという事ですが、第三者の日当額 × 療養看護日数 × 裁量割合(0.5~0.8)となっています。第三者の日当とは、介護サービスを受けた場合の日当裁量割合とは、プロが介護した場合と親族が介護した場合との調整です。ただ、この制度には注意点が色々ありますので、つづきは次回です。 豊村 岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.08.14(金)
相続と民法改正 その12(特別寄与料)
さて、特別寄与料の続きです。特別寄与料を請求できる特別寄与者には、つぎの要件があります。①被相続人の親族であること(元々相続人である者、相続を放棄した者を除く)②被相続人に対し無償で介護を行い、被相続人の財産の維持または増加について、寄与したことを証明できること民法上の親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族を言います。次の図の黒は血族・赤は姻族です結構幅広いですね。さらに続きます。豊村岡庭グループでは、土地や建物からファイナンシャルプランニングまで幅広いサービスを行っています。
2020.08.07(金)