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総務・金融(412件)
記事一覧へおうちと消費税 その5
今回のおうちと消費税は、分譲住宅についてです。 分譲住宅の場合、注文住宅のように経過措置というものがありません。 つまり、引き渡しが増税施行日の前か後かでかかる消費税が変わってきます。従いまして、売買契約を施行日前にしていたとしても、引き渡しが2019年10月1日以後であれば、消費税は10%ということになります。 ただし、分譲住宅であっても一定のものは請負工事に含めることができます。 一定のものとは「建物の譲渡に係る契約」であって、当該建物の内装若しくは外装又は設備の設置若しくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係るものを言います。注文者が壁の色又はドアの形状等について特別の注文を付すことができることとなっているものも該当します。 つまり、分譲住宅でも、ある程度購入者の注文のもとに、建築されるものであれば、請負工事の経過措置が適用されます。もし、その注文について、基準日の前日(2019年3月31日)までに工事請負契約書をしているのであれば、売買契約についても8%が適用されることになります。 次回に続きます。 豊村
2018.05.07(月)
おうちと消費税 その4
おうちと消費税 その4です。 請負工事にかかる消費税について、いくつか補足です。 指定日前日以前に請負契約をしていれば、完成引渡が施工日以後であっても、消費税は8%になるのですが、工事について増額があった場合はどうなるのでしょう? 例えば3000万の建物の工事請負契約を指定日前日以前にしたとします。この時の消費税は240万円です。ここで、計画変更により、請負金額が200万円増額された場合、その計画変更が指定日前日以前であれば、消費税は当然8%です。しかし、計画変更が指定日以後であった場合は、消費税は10%が課されることになります。 逆に、計画変更により減額した場合は、経過措置が適用され8%のままとなります。 また、例えば当初より100万円増額したが、その後30万円減額となったとした場合ですが、結果として当初より70万円増額となっていますので、70万円について10%が課税されます。 着手について。 着工が施工日よりも先の見込みだけど、指定日以前に契約すれば8%でも大丈夫なのでしょうか? 答えは、基本的には大丈夫です。経過措置には着工についての規定はありませんので、極端な話着工が5年後でも問題ありません。 ただし、建設地も決まっていない、仕様も決まっていない、何も決まっていないのに契約だけあるというのは、さすがにお勧めしません。実体がないとみなされる可能性があります。 一方、指定日前日以前から建築計画は進めていたが、契約が指定日以後になっていたとしても、見積書などで金額が提示されていれば、工事請負契約書にその旨を記載すれば、経過措置の適用を受けることも可能です。 建物の新築についてはここまでになります。 次回は販売についてです。 豊村
2018.05.05(土)
おうちと消費税 その3
おうちと消費税その3。では、前々回の問題の解説です。 文中の指定日は2019年4月1日 施工日は2019年10月1日となります。 ①2019年6月契約 2019年11月引き渡し契約が指定日以後かつ、引き渡しが施工日以後のため、消費税10% ②2019年3月契約 2019年8月引き渡し契約が指定日の前日以前かつ、引き渡し日が施工日前のため、消費税8% ③2019年3月契約 2020年2月引き渡し契約が指定日の前日以前のため、引き渡しが施工日以後であっても、消費税8% ④2019年10月契約 2020年4月引き渡し契約日が指定日及び施工日以後かつ、引渡日が施工日以後のため、消費税10% ⑤2019年5月契約 2019年9月引き渡し契約日が指定日以後でも、引渡日が施工日前のため、消費税8% 消費税が10%となった場合、住宅ローン減税や住宅取得等資金贈与の非課税など、旧税率の時より増えるものもあるので、指定日の前日までに契約をした方がいいとは言えませんが、来年家を新築するつもりの方は、指定日をしっかり意識しましょう。 豊村
2018.05.02(水)
おうちと消費税 その2
おうちと消費税第二回は請負工事にかかる経過措置についてです。 消費税の増税は2019年10月です。当然この日から物を買ったら10%消費税がかかります。 では家を新築する場合、家を買った日というのはいつになるでしょう?新築の場合、完成引渡の日(建物の登記名義人となった日)となります。 ですが、買う意思を表示した日は、工事請負契約日と言ってもいいと思いますが、家を新築するには相当に期間がかかりますから、買う意思を表示した日が消費税8%の期間ということが、当然あり得ます。また、2019年9月中に引き渡しを受ける予定が、何らかの事情により2019年10月以降になってしまうこともあり得ます。その場合も10%支払わなければいけないのでしょうか? 実は、請負工事については、経過期間というものが設けられています。 これは、増税施工日(2019年10月1日)の半年前の日を指定日とし、指定日の前日つまり2019年3月31日までに契約したものについては、引渡日が増税施工日以降であっても旧税率(8%)が適用されるというものです。 これを前回の問題に当てはめるとどうなるでしょうか? 続きはまた次回です。 豊村
2018.05.01(火)
おうちと消費税 その1
消費税が5%から8%に増税されたのが、2014年4月ですので、もう4年経ちました。 当初は1年半後の2015年10月に10%にさらに増税される予定でしたが、延期を重ね今は2019年10月に引き上げられる予定になっています。 ここで、おうちと消費税について、今一度触れていきたいと思います。 ・請負工事の経過措置消費税が増税されるのは2019年10月ですが、家を新築する場合には、当然工事請負契約書を交わします。 次のそれぞれの契約にかかる消費税は何%でしょうか? ①2019年6月契約 2019年11月引き渡し②2019年3月契約 2019年8月引き渡し③2019年3月契約 2020年2月引き渡し④2019年10月契約 2020年4月引き渡し⑤2019年5月契約 2019年9月引き渡し 正解は①10%②8%③8%④10%⑤8% どうですか?納得いかない部分もありますか? 解説は次回です。 豊村
2018.04.30(月)
税制改正について その5
今回は家とは関係ないのですが、新たに始まる課税制度について書いていきます。 ・国際観光旅客税 これは、海外へ出る人から、一律一回につき1000円徴収するというものです。 徴収された税金は、訪日外国人旅行者のための環境整備のために使うとなっています。なんか、雲をつかむような話でよく分かりませんね。 この税金の納税義務者(納める人)は、基本は国際旅客運送事業を営む者となっていますので、航空会社や海運会社が、その運賃に上乗せすることになるのではないでしょうか。 ただし、この税金は海外から日本に来た外国人も、出国の際に払うことになります。 平成31年1月7日以後の出国から適用されます。 ・森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称) これは来年の税制改正により創設されるものですが、今回提示されましたので、少し触れます。 私たちに直接関係があるのは、森林環境税の方で、平成36年より始まります。 温室効果ガス抑制目標の達成等のために森林環境整備のために使われる予定です。 個人一人1000円が住民税に合わせて徴収されることになります。 どちらも環境整備のためと言ってますが、いまいち具体的なところまみえなくて嫌ですね。 豊村
2018.04.27(金)
税制改正について その4
今回の税制改正については、給与所得についてです。 この改正は平成32年から適用されます。 所得税というのは、収入から経費を差し引いた残りを所得と言いますが、この所得からさらに諸々の控除を引いて、その残りに税率をかけて計算します。 ですが、給与という収入については、基本的に経費というものが存在しません。その代わり、給与所得控除というものが収入から差し引かれます。 今回の改正では、この給与所得控除が一律10万円引き下げられることになりました。ただしこのままでは増税になってしまいますので、その代わり現状38万円の基礎控除を48万円に引き上げることにより、バランスをとっています。 これは、給与所得の計算が他の所得よりも優遇されているという指摘から、給与所得者のみが受けられる給与所得控除を減らし、すべての所得者が受けられる基礎控除を上げることなりました。 さらに、給与収入が850万円を超える人については、給与所得控除が15万円引き下げられ、合計25万円引き下げられることになりました。これは、高所得者にはより多く税を負担してもらおうということです。ただし、23歳未満の扶養親族有する場合(子育て世帯)等には適用されません。 また、公的年金等の所得税についても、給与所得と同じような改正がありますが、こちらは今回は割愛します。 所得税については、今年は配偶者控除の見直しの開始年となりますので、そちらの方も気にしておきましょう。 豊村
2018.04.25(水)
税制改正について その3
今回は建物かかる税金についてです。 ・固定資産税 現在、新築住宅に対する固定資産税には特例措置があります。 その内容は、新たに課税される年度から3年間通常の税額の1/2にする(長期優良住宅は5年間)というものです。 実はこの措置も、その期限が平成30年3月31日まででしたが、こちらも今回の税制改正により、2年間期限が延期されることとなりました。 ・不動産取得税 土地や建物を新たに取得すると、不動産取得税が課税されます。 ただし、一般の住宅については、課税の基準となる課税標準額から1200万円控除できます。 この不動産取得税にも特例措置があり、長期優良住宅に限り課税標準額から1300万円控除することができます。 ですが、この特例措置も平成30年3月31日が適用期限でしたが、税制改正によりその期限が2年延長されました。 このように税金には結構特例措置が設けてあります。もし今年度予算案が可決されていなかったらと思うと、ちょっとドキドキしてしまいますね。 豊村
2018.04.23(月)
税制改正について その2
税制改正についてその2です 前回前振りだけで終わった、印紙税の特例措置の内容について書いていきます。 まずは、不動産売買契約書に貼る印紙です。 例えば、4000万のマンションを買おうとしていたとします。この時売買契約書を交わすことになりますが、その時に貼る印紙は原則(本則)では2万円です。ですが、特例ではその半額の1万円になっています。 6000万の土地建物を購入しようとしている場合では、本則では6万円のところ、特例では半額の3万円です。 結構大きいですよね? 細かく言うとこんな感じになります。 なかなか億を超える契約はないですが、それ以下でも特例に半額になってます。 期限が延長になってよかったですね。 豊村
2018.04.11(水)
税制改正について その1
今回からは新シリーズ。税制改正についてです。 3月末に混乱の中国会で、平成30年度予算案が成立しました。これにより平成30年度の税制改正も成立したことになります。 実は今回の税制改正の中に、平成30年3月末日をもって適用期限が切れてしまう特例について、その期限を延長するものがありました。 そのうち「家を手に入れる」ということに、縁深いものを挙げていきたいと思います。 ・印紙税の特例措置 この特例については、もし予算案が3月中に成立していなければ、今、家を手に入れようとしている人に影響があったかもしれないものです。 モノを買ったときに受け取る領収書については、その金額が5万円以上については印紙を貼らなければいけなのはご存知ですね。これは売った側に印紙を貼る義務がありますので、あんまり意識したことがないかもしれません。 ですがモノを買う時の契約書にも印紙を貼りますが、これは買う人にも印紙を貼る義務が生じてきます。 実は不動産売買契約書や工事請負契約書に貼る印紙は、特例措置によってその金額が軽減されているんです。 内容については次回。 豊村
2018.04.10(火)