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記事一覧へ2020年の税金 その7
前回の続きで公的年金の税制改正です。 前回、改正前と後の表を載せましたが、わかりにくいと思いますので、簡単に解説です。 公的年金控除額は一律10万減少します。 ただし、公的年金以外の所得が、1000万超2000万以下の場合、この減少額が20万になり、2000万超の場合30万になります。 したがって、年金収入しかない人や他の収入が少ない場合は、公的年金控除の減少=基礎控除の増加となり、税金に変わりはないのですが、年金以外に収入がたくさんある人は、増税になく可能性が高くなるわけです。 給与所得、年金所得については、収入が高い人は増税になるということですね。 2020年の税金、もう少し続きます。 豊村
2019.04.26(金)
2020年の税金 その6
2020年の税制改正、もう少し続きます。 前回までは給与所得についてでした。 今回は公的年金についてです。 公的年金についての税金計算は、給与所得に似ていまして、公的年金の収入金額から公的年金等控除額を引いて計算します。 この控除額が、次のようになります。 改正前改正後公的年金等の収入金額公的年金等の控除額公的年金等の収入金額公的年金等の控除額公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額1,000万円以下1,000万円超2,000万円以下2000万円超120万円以下〈70万円以下〉所得金額0円110万円以下〈60万円以下〉所得金額0円収入金額-100万円収入金額-90万円120万円超330万円未満〈70万円超130万円未満〉収入金額×100%-120万円〈70万円〉110万円超330万円〈60万円超130万円未満〉収入金額×100%-110万円〈60万円〉収入金額×100%-100万円〈50万円〉収入金額×100%-90万円〈40万円〉330万円以上410万円未満〈130万円以上410万円未満〉収入金額×75%-37.5万円330万円以上410万円未満〈130万円以上410万円未満〉収入金額×75%-27.5万円収入金額×75%-17.5万円収入金額×75%-7.5万円410万円以上770万円未満収入金額×85%-78.5万円410万円以上770万円未満収入金額×85%-68.5万円収入金額×85%-58.5万円収入金額×85%-48.5万円770万円以上収入金額×95%-155.5万円770万円以上1,000万円以下収入金額×95%-145.5万円収入金額×95%-135.5万円収入金額×95%-125.5万円1,000万円超収入金額-195.5万円収入金額-185.5万円収入金額-175.5万円〈 〉内は65歳未満 さて、むずかしいですね。 ザックリいうと、公的年金等の控除額が減少し、かつ公的年金以外の所得によりその減少額が10万~30万の間で変動するということです。 それでどうなるかということは、また次回です。 豊村
2019.04.22(月)
2020年の税金 その5
2020年からの給与所得に対する税制改正のまとめです。 まず、給与所得控除が10万引き下げられます。次に基礎控除が、一律38万だったのが、収入により0~48万になります。 この結果 年収850万以下 給与所得控除の減少=基礎控除の増加になるため、税金の変動なし 年収850万超~2595万以下 給与所得控除の減少>基礎控除の増加になるため、増税の可能性あり 年収2595万超 給与所得控除の減少+基礎控除の減少なるため、増税の可能性大 ということになります。 収入の高い人ほど税金が高くなるわけですね。 以上給与所得の改正についてでした。 豊村
2019.04.18(木)
2020年の税金 その4
また、前回の投稿から間が空いてしまいました。 次回続きを書くという引きだったのに、すいません。 さて、2020年には給与所得に対する税制改正があるわけですが、前回は給与所得控除について書いたのですが、今回は基礎控除についてです。 前回103万の壁は変わらないと書いたのですが、その時基礎控除が10万あがって48万になると書きました。 実はすべての人の基礎控除が48万になるのではありません。 実際はこうなります。 合計所得金額 基礎控除額2400万以下 48万2400万超2450万以下 32万2450万超2500万以下 16万2500万超 なし このように、収入が高い人には、基礎控除が逓減するようになっています。 これがもう一つのからくりです。 結局どうなるの?ってことですが、それは次回です。 豊村
2019.04.16(火)
2020年の税金 その3
2020年の改正の続きです。 2020年、給与所得控除がどうなるかと言いますと.こうなります。 給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額1,800,000円以下収入金額×40%-100,000円550,000円に満たない場合には550,000円1,800,000円超3,600,000円以下収入金額×30%+80,000円3,600,000円超6,600,000円以下収入金額×20%+440,000円6,600,000円超8,500,000円以下収入金額×10%+1,100,000円8,500,000円超1,950,000円(上限) 結局どうなったかというと、10万円ずつ引き下げになったということです。 前回103万の壁の計算がありました。103万ー65万―38万=0 というやつです。 給与所得控除の改正により、65万が55万になりますね。 とすると、壁も10万減って93万になってしまうのか?と思ってしまいますが、実はそうではありません。 なぜかというと、2020年の改正で、基礎控除38万円が10万あがって48万になることになっています。 壁の計算は、103万-55万-48万=0となり、最終値は変わりません。 給与所得控除が10万下がっても、基礎控除が10万あがるので、税額に変わりがないんじゃないか?だったら改正する意味は?と思いますが、実際は変わる部分があります。それは、収入金額が850万以上の人です。この人たちの給与所得控除の上限が220万から195万になっています。つまり、高所得者については増税になるということです。 さらにもう一つからくりがあるのですが、それは次回です。 豊村
2019.03.18(月)
2020年の税金 その2
2020年に予定されている税制改正の続きです。 今回は、私たちの生活に直撃する所得税の改正です。 まず給与所得についてです。毎月の給料については所得税が源泉徴収されています。自分の給料については、源泉徴収前の総支給額より源泉徴収後の手取り金額の方を意識されている方が多いと思います。 そもそも所得税は、収入金額から経費を引いた残額に税率をかけて求めます。給与所得の人は立替払いをした仕事の経費はあっても、収入についての経費というのは考えたことがないかと思います。給与所得についての経費に該当するものが、給与所得控除です。 現状はこんな感じです。 給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額1,800,000円以下収入金額×40%650,000円に満たない場合には650,000円1,800,000円超3,600,000円以下収入金額×30%+180,000円3,600,000円超6,600,000円以下収入金額×20%+540,000円6,600,000円超10,000,000円以下収入金額×10%+1,200,000円10,000,000円超2,200,000円(上限) 103万の壁というものがあります。これは、扶養になれる収入金額が103万以下ということですが、実はここに給与所得控除がかかわってきます。 年収103万の場合の、給与所得控除額は現在65万円です。また所得税の計算において、すべての人が対象になる基礎控除というものがありまして、これが現在38万円です。ここから103万ー65万ー38万=0ということになります。つまり、103万の壁とは、所得税がかからない人のことなのです。 さて、ここから本題です。 と言いたいところですが、長くなってしまったので続きは次回です。 豊村
2019.03.15(金)
2019年の税金 その8
今回も民法がらみの改正なのですが、来年ではなく今年変わるものでした。前々回の投稿に漏れていました。 特別寄与料 特別寄与料とは、被相続人に対し無償で療養看護等をした相続人以外の親族が、相続人に対して請求できる金銭を言います。例えば、長男の奥さんなどが該当します。 元々民法には寄与分というものがあります。これは相続人の中で、他の相続人よりも多く被相続人の財産の維持や増加にかかわった部分のことです。例えば家業を継いだとか、療養看護をしたとかです。 特別寄与と寄与の違いは相続人であるかないかです。 そして相続についての考え方も違います。 まず通常の相続がこうだったとします。(長男はすでに死亡)被相続人の財産 3000万配偶者1/2 1500万次男1/4 750万三男1/4 750万 三男の寄与分を600万とした場合被相続人の財産 3000万-600万=2400万配偶者1/2 1200万次男1/4 600万三男1/4 600万+600万(寄与分)=1200万 長男の配偶者の特別寄与料600万とした場合被相続人の財産 3000万配偶者1/2 1500万ー600万×1/2=1200万次男1/4 750万-600万×1/4=600万三男1/4 750万-600万×1/4=600万 長男の配偶者 600万 亡くなった長男の奥さんが、義父母を看護しても何の恩恵もないなんてことが回避できますね。 豊村
2019.03.04(月)
2020年の税金 その1
前回まで2019年から始まる税金について書いてきました。 今回からは401Kの話に戻ろうと思ったのですが、ちょうど夜中に今年度予算案が衆議院を通過して、今年度中に成立する見込みになりましたので、予算案に伴い来年変わる税金についても書こうと思います。 まずは、民法改正による配偶者居住権の創設に伴う相続税の取り扱いです。(2020年4月1日以降) 配偶者居住権とは、夫が死亡した時に夫の所有する建物に住んでいた妻(当然逆もあり)が、その建物に死ぬまで又は一定期間、無償で住み続けることが出来る権利です。 なんでこんな権利が出来たかというと、民法で認められている配偶者の相続権は、子供がいる場合1/2です。ですが、配偶者が居住している土地建物を相続で取得すると、それだけで1/2に達してしまい、その後の生活費となる預貯金を取得できないという問題がありました。 別に1/2を超える相続をしてはいけないということではありません。相続人間の関係が良ければ、配偶者に多めに相続させて、その配偶者が死亡したときに改めて子供が相続するなどできるのですが、関係が良くない場合、自分の権利分を主張されることが出てきます。 そこで、土地建物より安価になる配偶者居住権を創設し、生活となる現金預金も相続出るようにしました。建物は居住権と所有権の二つに分かれることになります。土地の方は、敷地利用権と所有権に分かれます。 これであれば、配偶者が居住権と敷地利用権、現預金を相続し、子が土地と建物の所有権を相続するなんてことが出来ます。 この居住権と利用権は、建物が古いほど又は配偶者の年が若いほど価格が高くなります。またこの権利は他へ譲渡できないので、自宅を売却する場合のその権利の取り扱いが問題になりそうです。 もうちょっと続きます 豊村
2019.03.02(土)
2019年の税金 その7
2019年の税金の話、今回は消費税と住宅取得にかかる税金以外の改正についてです。 以前から決まっていたものとしては、国際観光旅客税です。実はこれはもう始まっていて、1/7以降に日本から出国する場合1000円が税金としてチケット代に上乗せされます。 続いて、今国会で予算案の審議をしていますが、これが通れば決まる改正です。私たちの生活に関係がありそうなもののみピックアップします。ちなみに、ローン減税の3年延長もこれに入ります。 ・空家に係る譲渡所得の3000万特別控除の見直し。2019年4月1日以降相続で取得した、亡くなった人が住んでいた家を売却した場合、所得税について3000万円の特別控除が認められていますが、その亡くなった人が老人ホームに入っていた場合、特別控除が認められていませんでしたが、4/1以降は認められることになります。 ・ふるさと納税の見直し。2019年6月1日以降返礼品を寄付金額の3割以下とし地場産のみとする。ふるさと納税は右肩上がりで増えていましたが、寄付金を得るために過度の返礼品があったのは確かです。でも私もふるさと納税はやっていますので、はっきり言って不満です。 ・ウィスキー等の酒税の引き上げ輸入ウィスキーの税率が引き上げられます。これにより、商品価格もあがると思われます。 ・教育資金、結婚、子育て資金の一括贈与の非課税延長去年のブログに書いたのですが、一括贈与の非課税は3/31が適用期限でした。しかし、若干の変更を加えたうえで、適用期限が延長となりました。 ・自動車諸税自動車税が減税になります。2019年10月1日以後エコカー減税を軽減割合を変更し延長。2019年5月1日以後自動車取得税廃止。2019年10月1日以後環境性能割の見直し。2019年10月1日以後 今年は大体こんな感じです。来年は相続税などが変わる予定になっています。 豊村
2019.02.24(日)
2019年の税金 その6
2019年の税金、今回は家を買う時に消費税が8%と10%ではどちらが得かについてです。 家を買う場合、消費税が課税されるのは建物部分だけです。 仮に建物が2500万だったとします。 増税による支出増は、2500万×(10%-8%)=50万です。 一方ローン減税の3年延長分で還付が受けられる上限は、建物金額の2%とローン残高の1%×3年のどちらか低い方ですから、土地とともにローンで自宅を購入した場合、建物金額の2%の方が低くなります。 したがって、2500万×2%=50万となり、50万―50万=0となります。 建物が3000万でも同じですね。 つまり、増税分は延長されたローン減税で還付されるということになり、8%でも10%でも変わらないということになります。 ですが、すまい給付金を受けることが出来る人は、その分だけ戻る金額が多くなりますから、10%の方が得になり、土地はすでに持っていて建物のみを購入の場合、延長されるローン減税が、借入残高の方が基準になりますので、10%の方が得になる可能性が高いです。 さらに、ローン減税は、そもそも所得税と住民税の合計額が、計算された還付額以下であれば、還付を受けられる金額は所得税と住民税の合計額となります。つまりローン減税限度額が5000万×1%=50万となっても、所得税と住民税の合計が40万しかないとすれば、還付金額は40万ということです。 となると、増税分を3年延長したローン減税で吸収できないことになり、8%の方が得ということになりますね。 結論として、8%と10%のどちらが得かとの問いには、8%の場合もあるし10%の場合もあるということになりました。 こんな結論になってしまい、すいません。 豊村
2019.02.22(金)