家を買うためには その8

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今回は前回に続いて持分についてです。

 

前回は出資した資金の割合と、土地建物の持分の割合を、合わせなければならないことを書きました。

これは、資金の出所がはっきりしている場合です。

では、この出所がはっきりしていない場合はどうでしょう?

 

例1

夫婦共働きで、貯蓄用の口座がどちらかの名義のものしかなく、各々がこの口座に入金しているが、だれがいくら入金したかわからない時。どちらか一方の名義の口座を貯蓄用、生活費用と分けている場合等、家庭内の預貯金の夫婦での割合が分からない場合。

 

答え 過去5年間の各々の合計収入の比で按分する。

 

例2

住宅ローンを連帯債務で借りている場合。

 

答え 実際に返済できる金額をもとに算定する。

例えば、毎月10万返済で持分を1/2とすると、各々の負担は5万づつとなりますから、仮にどちらかの収入が5万円以下であれば、貯蓄を崩しながらでないと返済ができません。持分としては現実的ではないと思われます。

 

例3

子供のころからの預貯金

 

本人の所有であるかは、その預金が作られた内容で実質的に判断されます。

子供が成人でも、その預金の存在も金額もマイホームの購入の時まで知らず、親からそのマイホーム購入時に渡されたものであれば、その預金に当たる資金は、親が出資したものとみなされます。

この場合、親にマイホームの持ち分を与えるか、親から子に資金を贈与されたものとして子の持ち分の割合に含めることとなります。

 

本人がその預金の存在を知っている場合

(1) 預金が親等の相続により取得したものである場合

相続は財産の移転ですから子供に帰属します。子供名義と判断してかまいません。

 

(2) 贈与を受けて作った預金であるとした場合

たとえば5歳の子供に現金110万円を贈与しても、子供は贈与をについて理解していないでしょう。贈与は贈与者、受贈者の両者の承諾により成立します。したがってこの預金は親のものと認識すべきでしょう。

では、どれぐらいの年齢であれば子供に対しての贈与とみなしてよいでしょう?

20歳以上であれば問題ありませんが、民法では満15歳以上の者は遺言ができるとされています。遺言ができるということは財産を所有しているという認識とその処分の意志が認められていることです。処分ができるということは財産の受けとる(受贈)能力もあると理解されます。

したがって満15歳以上であれば贈与を受けた財産をそのものの財産としてもいいのではないでしょうか。

 

長くなりましたので、以下続く

 

toyomura

 

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